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長野県伊那市で始まる医療×MaaSの取り組み

長野県伊那市で始まる医療×MaaSの取り組み

2019年12月12日、長野県伊那市で「ヘルスケアモビリティ」を活用した医療×MaaSの実証実験が開始されました。

「ヘルスケアモビリティ」とは、医療機器などを搭載した車両のことで、車が患者の自宅などへ出向き、車内でオンライン診療ができるのが特長です。病院の偏在や通院のための交通手段といった問題を抱える地域の課題解決の一助となるサービスとして期待されています。

伊那市が推進するモバイルクリニック実証事業の下、MONET Technologies株式会社(以下「MONET」)と株式会社フィリップス・ジャパン(以下「フィリップス」)が連携して、オンラインの診療実証実験を行います。

ヘルスケアモビリティ 車内

ヘルスケアモビリティ 車内

折りたたみ式の診療台と椅子も設置されており、シンプルながら機能的で清潔感のある車内

この日、伊那市役所において、「ヘルスケアモビリティ」の車両公開とデモンストレーションが行われました。

この車両は、病院の偏在や医師不足などの課題を抱える伊那市と、ヘルスケア事業を手掛けるフィリップス、モビリティ事業を展開するMONETが共同で開発したもので、車内には心電図モニターや血糖値測定器、血圧測定器、パルスオキシメーターなどの医療機器のほか、医師が患者を遠隔から問診するためのテレビ会議システムや、情報共有クラウドシステムなどが搭載されています。

また、車両後部には車椅子で乗降できるリフトを装備。そのほか、MONETの配車プラットフォームとの連携により、看護師がスマホアプリから配車予約をしたり、予約に応じて患者宅までの最適なルートをドライバーに提示したりすることができます。

オンライン診療 デモンストレーション

デモンストレーションは、MONETのメンバーが医師、患者、看護師、ドライバー役を担当し、厚生労働省のオンライン診療ガイドラインに則って行われました。患者がドライバーのサポートにより車椅子で乗車する様子や、看護師が患者のバイタルを測定して情報共有クラウドシステムに入力する様子、医師がテレビ会議システムを通して患者に問診する様子など、「ヘルスケアモビリティ」を活用したオンライン診療の一連の流れが分かりやすく実演されました。

MONET代表取締役副社長 兼 COO 柴尾

会場でプレゼンテーションを行ったMONET代表取締役副社長 兼 COOの柴尾は、「伊那市での実証を通して作り上げた医療×MaaSのモデルを、全国へも横展開していきたい。将来的には、患者さまが乗車して移動するモデルや、医療と買い物の連携など、住民の方にまた利用したいと思ってもらえるようなサービスを設計していきたい」と今後の取り組みについて意気込みを語りました。

(掲載日:2019年12月13日)
文:ソフトバンクニュース編集部